-0803-思考するカンパニー

 

伝え聞いたお話ですが、
「戦後の混乱の時、これからは政治の時代が来る。」と言われその次に
「今後は経済の時代が来る」と予想されたそうです。そしてバブルを経験し
現代に到るわけですが次は「心の時代が来る」とされているそうな。
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"ココロ"って単語は時代を比喩するには抽象的で当方にはハァ? な印象です。
とはいってもこれから成熟と停滞した経済の世の中がどうなるのか全く予想もつかない
のもまた事実。(こないだのサウナのじーちゃんではないが)
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 本書は今の大量生産によるモノ余り状態と減価低減競争の延長でない未来がある
としたらその解の一つを提言しているのかなと思い読み始めました。
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 壮大なお話でしたが概要(印象的な部分)は以下のとおり。
 「社会の工業化は人々に大量生産と消費をもたらし、物質的に豊かな時代となった。
その一方で物があっても人々は精神的に満たされておらず幸せを享受できていない。
 人は他人を認識することで自らの存在を確認することができる。人と人との交流
やコミュ二ティありきの(関係性、信頼関係を基盤とした)ビジネスを展開する
ことで精神的な豊かさを有する社会を実現できる。」
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というもの。つきつめると「人間個人が利益のために働くのではなく、他者のために
働くことが幸せになる鍵だ」との内容と認識しています。
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後半は「他人のために働く」(利他的な社会モデル)という内容が続き、抽象概念
ばっかりで具体例は無いのかよ〜。と思えてきます。
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しかしこの本がすごいのは、実験的ではあるけど実際に(利他的な社会モデル)
に則ったビジネスを2例立ち上げて運営しているところです。作者は環境関連企業の
社長なのでこういうことができたわけですね。そして大真面目に今後もビジネスを
拡張していき世の中を変えようとしている、熱い思いが伝わってきたのでした。
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 200ページくらいの本でしたが、中味は濃かったと思う。◎